油や水に強い加工「ハービル加工」とは?食品用の紙製パッケージ

油や水に強い加工「ハービル加工」とは?食品用の紙製パッケージ

油や水に強い加工「ハービル加工」とは?食品用の紙製パッケージ | 箱の知識(印刷、加工など)

紙袋に包まれたフランスパン、紙の箱に並べられたコロッケやドーナツ……。香ばしい匂いを想像すると、食欲がそそられるばかり。紙製、とりわけクラフトテイストの容器はビニールとプラスチックよりも温かみある印象で、まるで食品に寄り添っているよう。そんな食品の紙製容器に欠かせない加工が『ハービル加工』です。

食品用の紙容器に使う、ハービル加工とは?

『ハービル加工』とは、紙の表面にバリア性を持たせた加工を言います。

原紙製造の段階から液剤を含浸処理か塗布していくもの。液剤は水性ニス(ハービルコーティングニス)を使用しますが、完全な水性ニスですし加工後に乾燥させると無臭になるため、溶剤が残留する心配はありません。食品衛生法・食品、添加物の規格基準に適合し、安全性も担保される一方で電子レンジ使用も出来て実用性も◎。

それでは具体的な特徴について触れていきましょう。

ハービル加工の特徴:耐水・耐油性がある

ハービル加工を施すと耐水性・耐油性が増します。一般的な紙の食品包装容器だと、食べ物から出る水分や油分の影響で強度が弱くなってしまいますが、加工によって液体漏れや変形が防げるのです。

油分や水分の染み込みによる汚れが防止できると、容器の清潔感も出ますし、高級感の演出にも繋がります。

ハービル加工の特徴:加工した紙なのに、リサイクルが容易

水や油のバリア機能を持たせるなど、一度紙に加工を行ってしまうとリサイクルが難しくなるイメージがあるかも知れません。しかし、ハービル加工をした紙の容器・箱のリサイクルは容易です。これは、ハービル加工が食品対応の水性ニスを塗布する形での加工をしていて、再生の弊害にならないことによります。

ハービル加工の特徴:加工のコストがかかる

以上のように、優れた特徴を持っているハービル加工ですが、製作コストの問題からハービル加工を採用していない食品容器も多くあります。ハービル加工をしていない場合、耐水性・耐油性が無ければ容器への染み出しが早まりますので、調理してから店頭に並んでいる時間が長かったり、デリバリーの持ち運び時間が長い、あるいはテイクアウトの持ち歩きを想定するのであれば、注意が必要です。

対策として、プラスチック容器の使用が考えられます。プラスチックを採用すれば、前述の問題が解決されて消費者の手に届くまでの間や食べるまでの時間に、たくさんのメリットが生まれるのですが――。手元に届いた途端に「不要なもの」になることは注意しなければなりません。油にも水に強くてボロボロにならないプラスチックのメリットも、食べ終われば「自然に還らない」デメリットになり、廃棄の問題が出てきてしまうでしょう。

ハービル加工をするとコストは上がりますが、紙製にすることで環境配慮の面からもお客様の印象も良くなり、コスト以上のイメージアップ効果に繋がる可能性があります。

食品用の紙製パッケージ。油や水に強い加工「ハービル加工」とは?のまとめ

スーパーや飲食店のテイクアウトに、ピザのデリバリー、開催が復活しつつあるイベントの屋台の出店での食べ歩きなど、多様化が進んでいる私たちの食生活のシーンに無くてはならないのが食品容器です。今回ご紹介したハービル加工がもたらしてくれる「水にも油にも強い特性」は、食事の利便性を向上し、食を豊かにしていると言っても過言ではないかも知れません。

日ごろ何気なく受け取っている紙製の食品容器ですが、こうして特徴や加工の目的を知ることで、もっと身近に感じていただけるのではないでしょうか。飲食店や食品関連の企業の皆様が食品容器・箱の製作を考えられる際には、目的や販売スタイルに合わせた検討も必要になります。

今回の記事をご参考にしていただきつつ、お気軽に『パッケージNow!』へご相談ください!

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