【開発ストーリー】ブランドの世界観を体現する、漆黒のプレミアムパッケージ
独自の研磨技術で卓越した美しさと機能性を持つプロダクトを展開する「BIRDY. TABLE(バーディテーブル)」。今回は、その中でも一際シックな輝きを放つ『DC700 Charcoal Edition』デカンタのパッケージリニューアルをお手伝いしました。
「環境への配慮」と「徹底した世界観の追求」という高度な要求を、細部へのこだわりとスピード感を持って実現した開発ストーリーをご紹介します。
1. 開発の背景とお客様のご要望
従来使用されていたパッケージは、ダンボールと板紙という異なる2つの材質が組み合わされており、廃棄時の分別リサイクル性や資材管理の面から「材質を統一したい」というご相談をいただいたことが本プロジェクトの始まりでした。
さらに、ブランドとしてサステナブルなものづくりを強化するため、「FSC®認証」の取得・マークの印字が必須条件として掲げられていました。弊社がすでにFSC認証を取得していたことが、今回のご依頼をいただく大きな決定打となりました。

2. どこから見ても「真っ黒」への挑戦
お客様が理想とされたのは、製品のコンセプトに合わせた「純粋な真っ黒なパッケージ」でした。通常の黒い段ボールの場合、表面は黒くても、断面や内側の中芯(なかしん)の茶色が見えてしまい、プレミアムブランドとしての美観を損ねてしまうという課題があります。
そこで弊社は、厚みわずか約1.5mmという極薄でスタイリッシュな「F段(Fフルート)」の段ボールを採用。表ライナー・裏ライナーだけでなく、普段は見えない「中芯」の裏表にまで真っ黒な材質を使用しました。これにより、箱を組み立てた状態はもちろん、開けた瞬間やカットされた断面のどこから見ても一切の色ブレがない、完璧な「漆黒」のパッケージを実現しました。

3. 引き算の美学によるデザイン提案
当初、お客様は印刷や箔押しなど、複数の加工手段を組み合わせて情報を表現することを検討されていました。しかし、ブランドの持つミニマルで洗練された世界観、および掲載したい文言を丁寧にヒアリングする中で、弊社は「あえて箔押しのみで仕上げる」という引き算の提案を行いました。
幾度もの検証を重ね、選ばれたのは「艶消しの金色(マットゴールド)」の箔押しです。ギラギラとした派手さを抑え、落ち着いた気品のあるゴールドが、漆黒の段ボール地に見事に映え、置くだけで上質な佇まいを醸し出すデザインへと着地しました。
また、実用面にも配慮し、出荷時に貼付するバーコードのズレを防ぐため、貼り位置の目安(アタリ)をデザイン内にあらかじめ組み込んでいます。

4. 機能性と短納期への対応
パッケージの形状には、使いやすさと美しさを両立する構造を追求しました。天面(蓋)はスマートに差し込めるスッキリとした形状にし、底面は現場での組み立て作業を格段に効率化できる「ワンタッチ式」を採用しています。
今回は、「間近に迫ったイベントに間に合わせたい」とのご依頼だったため、FSC認証マークの運用や承認プロセスには通常一定の時間を要しますが、社内の各部門が緊密に連携し、短納期の中でもミスなくスムーズな対応を徹底。無事にイベントへのお届けを間に合わせることができました。


