プレスコートとニス加工の違いは?パッケージの『表面加工』種類と特徴

プレスコートやニス加工・・・箱の『表面加工』とは?その種類と特徴

プレスコートやニス加工・・・箱の『表面加工』とは?その種類と特徴 | 箱の知識(印刷、加工など)

一口に“箱”と言っても、ギフトボックスや化粧箱など多くの種類があり、すべてが同じようなものではありません。その形状や色彩、そして材質など、多岐にわたる要素によって特徴付けられます。
そして、その中でも特に重要な要素が、箱やパッケージの『表面加工』です。

オリジナルのパッケージを制作し、完成に繋げていくためには、表面部分の加工についても細部まで注意を払ったうえで選択していく必要があります。
しかしながら、初めてパッケージを制作する方々、あるいはご検討されている方々にとっては、表面加工の種類やその効果について理解が不十分な場合も少なくありません。

この記事では、オリジナルパッケージを制作しようとする方々に向けて、『箱の表面加工』について詳しく解説していきます。制作のご参考になれば幸いです。

箱の『表面加工』とは?

『箱の表面加工』とは、印刷された紙に対してニスやフィルム、光沢剤などを加えることで、様々な効果を得る加工方法です。

表面加工を施すと、以下の効果が期待できます。

  1. 他の印刷物へのインキの色写り防止
  2. 印刷面の擦り切れ防止
  3. 印刷面の耐熱性、耐水性の向上
  4. 質感の変化によるデザイン性の向上

これらの効果により、制作するパッケージや箱の見た目や品質が向上し、商品の魅力が増します。

加工方法は目的や好みに応じて選ぶことが重要ですが、代表的な加工方法には『ニス加工』『プレスコート』『ビニール引き』『PP貼り』などがあります。

複数ある適切な表面加工を選ぶことで、パッケージの印象や保護性能を向上させることができるのです。

ここからはパッケージ制作にあたっての加工の方法の選択に役立てていただくために、加工の種類ごとにご紹介をしていきます。

低コスト・短納期!パッケージにも利用しやすい「ニス加工」

『ニス加工』とは、印刷面にニスを塗布して加工する方法です。主にインキの塗膜を保護するために利用され、特にインキ量の多いポスターなどに広く活用されています。そんなニス加工には、以下のような種類があります。

  グロスニス: 光沢を出して印刷物の効果を引き立たせるニス加工

  マットニス: 光沢を抑えて落ち着いた雰囲気に仕上げるニス加工

どちらもインキの塗膜にニスを塗布することによって、耐久性の高まっていく効果があります。
また、印刷と同時に行うことができる『インラインコーティング』を用いることで、コストを抑えつつ短納期での加工が可能です。

さらに、アクリル系樹脂を使用して、より高いコーティング効果を得る方法もあります。このコーティングによって印刷物の耐久性や見た目の品質を向上させることが出来ます。

ニス加工は、印刷物の保護や美しさを引き出す重要な手法ですので、適切な加工方法を選ぶことでパッケージや広告物の魅力を最大限に引き出せるようになり、パッケージ作りの重要なポイントにもなってきます。

光沢感あるパッケージにしたいなら「プレスコート」

次にご紹介する『プレスコート』は、『ニス加工』よりも光沢感と耐久性を高めることができる特長があります。この加工は卒業アルバムや教科書などでも利用されています。

他の加工方法とのコスト感について触れますと、『プレスコート』はニス加工に比べてやや高コストになるのですが、『PP貼り』と比較してみると、低コストでありながら、ほぼ同等の光沢感を実現します。

また、加工に併せて『スポットプレス』という技術を活用すれば、部分的なコーティングが可能です。これにより、パッケージの一部分だけを特別に加工することなく、例えば贈り先の名前を記入するスペースとしても利用出来ますね。

さまざまなパッケージに活用できる「ビニール引き」

『ビニール引き』とは、塩化ビニル樹脂と速乾性のあるニスを混合し、印刷面に塗布する加工方法です。この混合物を熱乾燥、または蒸発させることで、印刷物に光沢と耐久性を与えます。このビニール引きの技術は、トランプやラベルなどにも広く使用されています。ビニール引きの特長としては、次の3つの点が挙げられます。

  1. 強い光沢: ニスよりも高い光沢感を実現する
  2. マット感: 塗料の種類を調整することで、マットな仕上がりにもなる
  3. 耐久性: 塩化ビニル樹脂の特性により、印刷物の耐油性や耐水性が向上する

以上の特長を持つことから、ビニール引きは様々な目的に応じて活用され、印刷物の外観を美しく保護する役割を果たしてくれます。

高級感あるパッケージを目指すなら「PP貼り」を!

つづいてご紹介するのは『PP貼り』です。『PP貼り』とは、ポリプロピレン加工の一種であり、印刷面にポリプロピレンフィルムを貼り合わせ、熱で圧着するラミネート加工の方法です。

PP貼りの加工により、印刷物に光沢感やツヤ感を与え、同時に強度を増す効果があります。そのため、書籍のカバーや雑誌の表紙などに使用されている加工方法です。
また、耐久性や耐熱性も備えていますので、飲食店のメニュー表などにも適しています。

このように、PP貼りは最も耐久性が高くなりますので、長期間使用する製品に向いています。さらに、使用するフィルムの種類によって様々な質感や高級感を演出することができるため、実用度のみならずパッケージのデザインにおいても重要な役割を果たしてくれます。

オリジナルパッケージを作りたい人、必見!知っておきたい「箱の表面加工」のまとめ

ご紹介した表面加工の方法の特長をまとめてみます。

【ニス加工】
コスト:★☆☆
光沢感:★☆☆
耐久性:★☆☆

【プレスコート】
コスト:★★☆
光沢感:★★★
耐久性:★★☆

【ビニール引き】
コスト:★★☆
光沢感:★★☆
耐久性:★★☆

【PP貼り】
コスト:★★★
光沢感:★★★
耐久性:★★★

※マット系(ツヤ消し)の加工を行う場合、光沢感はマット感に置き換えてください。
※前述の『★』表示は当ブログ独自の見解によるものです。

これらの特長を踏まえて、制作するオリジナルのパッケージや貴社の印刷物の目的や用途に応じて加工方法を選ぶことが大変重要です。
例えば、低コストを重視する場合には『ニス加工』が適しており、光沢感や耐久性を重視するケースでは、『PP貼り』が有力な候補となることが分かります。

加工方法の選択には、塗料や使用するフィルムの種類、さらには箔押しやエンボス加工などのオプションも考慮に入れるとさらに多様な選択肢があります。
ご自身の目的や要件を明確にしてから専門家に相談していくことで制作しようとするパッケージなどにとって、最適な表面加工を見つけられるでしょう。

加工の方法に関してご不明な点があれば、『パッケージNow!』へお気軽にお問い合わせください。

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