こんなこと、紙でできちゃうの?!進化した紙の「今」をご紹介 | パッケージNow!

こんなこと、紙でできちゃうの?!進化した紙の「今」をご紹介

こんなこと、紙でできちゃうの?!進化した紙の「今」をご紹介 | 脱プラスチックパッケージ

鼻にプラスチックのストローが突き刺さったウミガメの映像に見覚えはありませんか?

2015年に出回るとすぐにこの映像は世界中に広がり、ウミガメの痛々しい姿に衝撃が走りました。

これまで、全世界で生産されたプラスチックのリサイクル率はわずかに9%程度。年間で約800万トンが海洋投棄されていると言われ、海洋汚染あるいは生態系への影響も懸念されるところです。そのような現状を変えるべく、世界的に「脱プラスチック」の動きが広まっています。

そうした流れの中で、多くのものがプラスチックから紙へと移り変わりつつあるのですが、実際どのような製品が紙へと変化しているのでしょうか。
企業による取り組みを調査してみました。

脱プラスチックへの取り組み「ストロー」

コーヒーチェーンの「スターバックス」をはじめ、コンビニのコーヒーのコーナーなどでは「紙製のストローを提供する」「初めからストローを提供しない」といった施策が講じられています。

大手製紙各社によって、口当たりや耐久性を追求した国産の紙製ストローの生産も行われており、導入も比較的容易であることから多くの飲食店への広がりも。
プラスチックから紙に置き換えられた製品の代表例と言えるでしょう。

脱プラスチックへの取り組み「カトラリー」

ストローと同様にプラスチック→紙への置き換わりを見せているのが、カトラリーの分野です。スプーン、ナイフ、ピックにマドラー……。試食やお菓子に使用する使い捨てプラスチックを紙に変えて、脱プラスチックに繋げています。

参考、画像引用:
大黒工業|ペーパーカトラリ

脱プラスチックへの取り組み「お菓子のパッケージ」

プラスチック包装材のイメージが強い菓子類のパッケージも、紙パッケージへ変遷を辿ろうとしています。
紙の包装材はプラスチックの包装材よりも伸びにくく、包装機にセットした時やテンションをかけた時に破れやすかったりするのですが、日本の包装機メーカーの機器改良でこの問題を解決。日本国外へも展開し、脱プラスチックを後押ししていくことが期待されています。

参考、画像引用:
ネスレ日本|「キットカット」の外装を紙パッケージに変更

脱プラスチックへの取り組み「クリアファイル」

時には環境への配慮を対外的にアピールすることも必要です。そんな場合に効果を発揮するのが紙製のクリアファイル。自社資料の配布等に用いれば訴求効果が期待できます。プラスチック問題のみならず、古紙回収によるリサイクルで更なる環境貢献も。

参考、画像引用:
アオトプラス株式会社|紙製クリアファイル エコファイル

脱プラスチックへの取り組み「チャック付きパッケージ」

大日本印刷は再封可能なチャック付き紙容器を開発しました。粉末や固形物を入れる箱及び容器をプラスチックから紙へ切り替え、プラスチックの総量の減少に寄与する狙いがあります。

紙容器化に伴い角型形状になったため、陳列効率・輸送効率の向上にも期待がかかります。食品や日用品のパッケージとして順次提供される予定とのことで、今後店頭で見かける機会も増えそうです。

参考、画像引用:
DNP|再封可能なチャック付き紙容器を開発

脱プラスチックへの取り組み「ビール用ボトル」

持続可能性目標の達成に関連したイベントのC40世界市長サミットで、紙製ボトルに入ったビールが提供されました。
これは、デンマークのビールブランド・カールスバーグの開発した試作品。
まだ市場に出回る段階ではないそうですが、そう遠くない未来に冷蔵庫のペットボトルや瓶が紙製のボトルに変わる日がやってくるかも知れません。

カールスバーグの参加する紙製ボトルコミュニティには、コカ・コーラやロレアル、アブソルート・カンパニーなどの各業界の大手企業が参加していますので、最も開発や進化のスピードの速い脱プラスチック製品の一つになるのではないでしょうか。

参考、画像引用:
IDEAS FOR GOOD|脱ペットボトルへ。デンマークのビール醸造大手カールスバーグ、紙製飲料ボトルを発表

脱プラスチックへの取り組み「家具」

椅子やベッドにラックなどの家具類、あるいはパレットも紙への代替が進みます。リサイクル性の高さに加えて、掃除や配置換えに便利なことも相まって、ダンボール家具を導入する人が増えてるのだとか。
ちなみに、今夏開催される東京オリンピックの選手村のベッドもダンボール製です!

参考、画像引用:
村井紙器株式会社|ダンボール家具・インテリア

脱プラスチックへの取り組み「オリジナルの新素材」

従来のプラスチック材料と同じように成形可能な、紙を主原料としたオリジナル素材も生まれています。
プラスチック生成機・金型での成形が可能ですので、活用にあたっての設備的な支障もありません。低収縮・高剛性・耐熱性という特性を活かした幅広い活躍に注目が集まっています。

参考、画像引用:
株式会社 環境経営総合研究所|新素材紙パウダー MAPKA

「こんなこと、紙でできちゃうの?!進化した紙の「今」をご紹介 」 まとめ

海洋汚染問題だけではなく、脱炭素型社会を目指すために不可欠な取り組みである脱プラスチック。今回ご紹介した以外にも、これから多くの製品が紙に置き換わっていくと推測されます。

既にEUでは2021年から使い捨てのプラスチックの使用を禁止する法案も可決され、世界の規制のスピードは一層加速するでしょう。やがて、その潮流は日本にもやって来ます。そうはなった時に、ますますプラスチックの代替としての紙の需要は増していくはずです。
脱プラスチックというパラダイムシフトの中で、これからどのような「紙」の可能性に出会えるのでしょうか。

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