パッケージにまつわる法律、調べてみました~商標権~ | パッケージNow!

パッケージにまつわる法律、調べてみました~商標権~

パッケージにまつわる法律、調べてみました~商標権~ | パッケージ・箱・包装

製品・サービス等のために考案したネーミングやロゴは企業にとっての財産です。しかし、競争優位性のある優れたネーミングは、そのまま放っておくと第三者が類似の名称を使用したり、その名称やロゴが使用できなくなるやも知れません。

ネーミングが決まったり、ロゴが完成した段階で使用していく方向性が決まっているようでしたら、早めに商用登録をして『商標権』を持ちましょう。

知的財産権のひとつ『商標権』とは


『商標権』は『意匠権』(https://package.poppybox.jp/blog/package/p4260/)と同じく『知的財産権』の保護対象の権利です。商品やサービス、あるいはブランドの目印を保護するための制度となり、その商品等の信用と登録者の利益を守る役割を果たしています。

2015年からは法改正によって『音の商標』『動きの商標』『色彩のみからなる商標』『ホログラム商標』『位置商標』が追加され、商標登録の対象が拡大されました。

『商標権』の登録期間
商標の登録が認められると『商標権』が生じます。権利の有効期間はどのくらいあるのでしょうか?

結論から言うと原則として登録から10年間有効です。しかし、10年経過後には登録の更新手続きを行うことが出来ます。更新の制限もないため、『特許権』や『著作権』とは異なり、半永久的に権利を持ち続けられるのです。

最古の商標登録は百萬石酒造株式会社が明治35年7月16日に登録した『寿海』という日本酒の商標と言われています。長らく続く目印(商標)を保護する権利であることが分かりますね。

なお『原則10年』と申しあげたのは、登録料の分割納付制度を活用すると、実質的に5年の登録としての権利保有が可能なためです。販売期間が短い、ライフサイクルの早い分野の商品・サービスの場合には活用を検討されると良いかも知れません。

『商標権』を調べる方法
商品やサービスのネーミング等を決めるにあたっては、考案した名称・目印の商標登録の有無についての事前確認も肝要です。

『商標権』は、特許庁が用意している公式の検索サイトの活用がオススメです。一般的な検索サイトのような感覚で使用出来ます。

外部リンク:特許情報プラットフォーム J-PlatPat

 

パッケージデザインに関連した『商標権』の例

実際に商標登録されている事例をパッケージデザインに関連したものに絞って、ご紹介していきましょう。

  • パッケージデザインに関連した商標権:コカ・コーラ社「コカ・コーラ」のボトル

    1915年に「暗闇で触ったときにもそれがコカ・コーラのボトルとわかるもの」という条件のもとに生み出された、コンツアーボトル。コカ・コーラ社によると「日本で初めて文字や図形の付いていない容器について立体商標登録が認められたもの」とされています。

    出典:特許情報プラットフォーム

  • パッケージデザインに関連した商標権:UCC上島珈琲社「UCCミルクコーヒー」の色彩


    「UCCミルクコーヒー」は同社創業者の「いつでも、どこでも、一人でも多くの人においしいコーヒーを届けたい」という創業精神のもとに、開発された世界初の缶コーヒーです。そんなコーヒーの缶の配色も『色彩のみからなる商標』として保護されています。

    出典:特許情報プラットフォーム

  • パッケージデザインに関連した商標権:日清食品HD社「カップヌードル」の図形


    世界初のカップ麺「カップヌードル」のデザインは、同社の創業者がデパートで見かけた洋皿がモチーフになっているそう。上下に配置された帯方の図形はロゴや商品名が無くとも商品が認識できるものとして『位置商標』登録されています。

    出典:特許情報プラットフォーム

『商標権』を活用したブランド戦略を

商標を登録して『商標権』を持つと、登録した目印等について他社は使用出来ません。「ウォシュレット」「バンドエイド」等のように、カテゴリーを代表する商品名として浸透するほどの商品となれば、シェアの確保に有利に働きます。

加えて、2015年からスタートしている様々な商標もブランド確立には欠かせない要素です。全体を見ずとも部分的なデザインを見るだけで商品やブランドを認識される状態は売り場でもアイキャッチとなる可能性が高く、販売競争上、とても優位性があるでしょう。

ネーミングやロゴ等の目印は売上げに大きな影響を及ぼすものです。日々たくさんの商品・サービスが誕生する中で、競争力のあるネーミングや『商標権』の重要性はますます高まっていきます。

様々な状況に応じた貴社商品のブランド戦略の立案時には、商標の保護についてもご検討されてみてはいかがでしょうか。

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