紙の流れ目(紙目、目なり)とは? | パッケージNow!

紙の流れ目(紙目、目なり)とは?

紙の流れ目(紙目、目なり)とは? | 紙の知識

紙は、私たちの生活に欠かせない存在と言っても過言ではありません。印刷物や商品のパッケージ、日用雑貨品から伝統的な工芸品に至るまで、多くの場面で使用されています。

その中で、紙の『流れ目』と呼ばれる構造上の特徴が、印刷の品質であったり折り曲げやすさ、加えて耐久性にも影響を及ぼしている要素であることをご存知でしょうか。

流れ目は、紙が作られる過程で繊維が一方向に整列することにより生まれ、紙を使用する目的に応じて適切な選択も必要になって来ます。

今回の記事では、紙の流れ目の基礎知識から用途に応じた選び方まで詳しく解説したいと思います。

紙の『流れ目』とは?

 

 

そもそもとして、紙の流れ目とはどのようなものでしょうか?

紙の『流れ目』と言うのは、紙を作る過程において、紙の繊維が特定の方向に揃って並ぶことによって生まれる、紙の方向性のことです。『紙目』や『目なり』とも呼ばれます。

紙は木材などの植物繊維を使って作られるのは別の記事(「紙」って何から出来ている?紙の基礎知識)でもご紹介した通りですが、この原材料を抄紙機を使って一定方向に流しながら製造するため、水の流れに沿って並ぶため紙が完成するときに、その方向性が残ります。これにより『流れ目』と呼ばれるものが出来るのです。

その『流れ目』に平行に裂くと、紙はまっすぐきれいに裂けます。一方で紙目に対して垂直方向に裂くと、きれいに裂けません。

また、『流れ目』に沿って折ると、まっすぐ折れるのに対し、逆らうと折り目が割れてしまいます。

このように、紙の『流れ目』は、紙の強度・紙の折りやすさ、仕上がりなど、紙の特性に影響を与えるため、その特性をしっかり把握することが重要です。

紙の『流れ目』の種類

紙の流れ目は『縦目』『横目』に分かれています。紙は一つのライン上で製造され、巻き取られたロールの状態で一度保管されます。 ロール状の紙では目の方向が一定ですが、シート状(平判)にカットする際、縦方向で切るか横方向で切るかにより、縦目と横目の違いが生まれます。

紙の『縦目(T目)』

紙の『縦目(T目)』とは、紙の流れ目が紙の長辺に沿っている状態を指します。長辺に繊維の向きが平行です。繊維が縦方向に並んでいるため、縦方向に対しては強度があるため折りやすいですが、横方向に折ると割れやすくなります。

用途としては製本やパッケージに向いており、製本においては、本の背の方向と流れ目を揃えやすいことから、ページのめくりやすさが向上する特徴があります。本の背に沿って縦目にすると、開閉がスムーズになって製品の耐久性も増していくでしょう。

パッケージや包装で活用するケースでは、包装紙や箱で縦目を利用することでしっかりとした強度を持たせられます。箱の底やフタなど、開閉部分を縦目にしますと、折れやひび割れが軽減されます。

紙の『横目(Y目)』

一方『横目(Y目)』は、短辺に繊維の向きが平行となっていて、紙の繊維が横方向に並んでいるため横目と呼ばれ、紙の特性や使い方も縦目の紙とは異なります。

横目の紙は、短辺に沿って繊維が整列しているため、横方向で折ると割れにくく折れやすいです。

縦方向に対しては少し硬く感じ、割れやすい傾向があります。

広げたときに紙の安定性が保ちやすく、平らに広がりやすいという特性を生かしたポスターやチラシに適しており、平らな状態で使用したい印刷物にも向いています。

また、印刷物の製作において、インクを紙に乗せるとわずかな伸び縮みが起こるのですが、横目の紙は縦目の紙よりもインクが安定して広がるため、特に印刷の見た目や品質が重要な印刷物としての活用に向いていると言えるでしょう。

紙の流れ目について まとめ

紙の『流れ目』は、普段意識する場面はほとんどないかも知れませんが、印刷や製本、パッケージ包装など様々なシーンでその特性が大きな役割を果たすことに繋がります。

流れ目を理解し、用途に応じて縦目や横目を使い分けることにより、紙の強度や美しさを最大限に引き出すことが可能です。今後、紙を選ぶ際には、ぜひ流れ目にも注目してみてください。ちょっとした気配りで、仕上がりの質や耐久性が大きく変わるかもしれません。

流れ目への理解が増せば、紙を扱う仕事やご趣味をよりいっそう充実させる手助けになるはずです!

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