「紙」って何から出来ている?紙の基礎知識 | パッケージNow!

「紙」って何から出来ている?紙の基礎知識

「紙」って何から出来ている?紙の基礎知識 | 紙の知識

紙は、日常生活で当たり前のように使われていて、私たちの生活に欠かせないものですが、その原材料や作り方について深く考える機会は少ないかもしれません。

この記事では、紙がどのような素材から作られ、どんな工程を経て私たちの手に届くのかを解説します。
身近でもあまり知る場面の少ない、紙の製造の秘密に迫ってみましょう!

紙の原料はパルプ・薬品・水

紙が何から出来ているか……その答えはズバリ『パルプ』『薬品』『水』です。

『パルプ』が紙の主な原料となりますが、原料のパルプを調整する段階で『薬品』を添加することにより
紙の品質や機能を特定させたり、表面に塗るといった工程に用いられたりします。

また、紙の製作プロセスの全工程に関わるのが『水』となりますため、1キロの用紙を抄造(原料を”すいて”作る製紙方法)するためには100キロの水が必要です。一度使用した水も循環再利用し、水資源を効率的に活用しています。

紙の原料になるパルプとは?

紙の主な原料はパルプというのはお伝えした通りですが、そもそも『パルプ』とは何でしょうか?
パルプとは、植物繊維を加工したもので、物理的に製造する『機械パルプ』と化学的に製造する『化学パルプ』が存在しています。

パルプの種類は、主に『木材パルプ』『非木材パルプ』『合成繊維パルプ』『古紙パルプ』などです。

木材パルプ

  

製材工場で発生する端材や間伐材、解体材等をチップ化したものを原料としています。
大別すると針葉樹(マツ、スギ、ヒノキなど)、広葉樹(ユーカリ、アカシア、ポプラなど)があり、それぞれをバランス良く配合していくことにより、機能や用途に適した紙が作られていきます。

非木材パルプ

木材以外にも竹や麻、ケナフといった素材もパルプの原料に使われていたり、最近はバナナから作られる『バナナペーパー』も注目を集めていますね。

いずれも違った特徴があり、例えば竹なら”しなやか”な紙になるなど、出来上がりの紙の性質に変化が生まれます。

合成繊維パルプ

木材や石油から作り出される人工的な化学合成繊維をパルプに変化したものです。

レーヨンやピニロンと種類がありますが、強度や保湿性に優れています。

古紙パルプ

一度使用した紙から繊維を取り出して再度パルプにしたものです。

紙を溶かしてインクなどを取り除いて漂白していく……という過程を経ていきますが、白色度は低い仕上がりになります。環境配慮、省資源の観点からも利用されることが推奨されるパルプです。

パルプ化工程

     

次に、パルプ化の工程についてご説明していきましょう。

木材は無数の繊維の細胞から成り立っているのですが、それぞれの繊維はリグニンという樹脂物質で接着されている状態です。

その繊維細胞を一本ずつバラバラにしたのがパルプになり、分解させる方法によって『機械パルプ』『化学パルプ』に分類されます。

機械パルプ

木材を機械ですりつぶすようにして、バラバラにする形で製造する方法を『機械パルプ』と言います。

木材の繊維を接着させている樹脂を残したままパルプにしていくのですが、リグニンは光に反応して変色することがあるため、変色させたくない場合には使用が出来ません。

化学パルプ

木材の繊維は樹脂(リグニン)により固く結合しており、基本的にはそれを取り除き繊維(セルロース)だけを抽出する必要があります。

木材をチップ化して薬品を加え、高圧高温の連続蒸解窯で煮込んで溶かし、洗浄・精選することでパルプが生成されます。

なお、古紙の場合は温水と薬品を入れてかき混ぜ、異物と取り除きながら繊維からインクを剥がし、細かい異物も除去します。

空気の泡を送り込みインク・塗料を除き繊維を残した後、薬品で漂泊・脱墨して洗浄・脱水しパルプが出来るのです。

製紙の工程は調整・抄紙・加工・仕上げ

さて、続いては製紙の具体的な工程についてです。
パルプ化工程で取り上げたそれぞれの方法で、パルプを製造した後は次の処理を行います。

  • 調整
    ・パルプを叩解する。(切る・すりつぶす)叩解が長いと密度が高くなる。
    ・リファイナーで毛羽立て結合を促す。(フィブリル化)
  • 抄紙
    ・パルプを叩いた紙料を水で均一に希釈して、長網・円網などの抄紙機(しょうしき)でワイヤーの上で水を落としながらシート状にする。
  • 加工
    ・フェルトに乗せプレスロールにはさんで、さらに水分を搾り取る
    ・蒸気で熱したシリンダーを何度も通し乾かす。
  • 仕上げ
    ・キャレンダーパートでプレスしながら紙の密度と上げつつ、平滑性や光沢を加えることもできる。
    ・乾燥、表面処理した紙を長いロール状に巻き取る。
    ・紙の検査を行い、問題なければ指定サイズに裁断する

以上の工程を経て生産された紙が、必要な形に活用されて私たちの手元に届くのです。

「紙」って何から出来ている?紙の基礎知識 まとめ

梱包、紙器、コピー用紙―――。生活を送るうえで必要な存在の紙ですが、その原料である植物繊維やパルプ、そして製造工程を知ることで、より身近な存在に感じられるのではないでしょうか。

紙は、もともとリサイクル率の高い製品ですが、環境に配慮した原料や素材にフォーカスされることの多い現代社会ですので、ご自身が良く使われる製品の素材や製造工程を知っておくのはとても大切なことです。

今後も『紙』についての知識・情報をお届けしていきますので、ぜひチェックをお願いします!

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