ダンボールの基礎知識~材質について~ | パッケージNow!

ダンボールの基礎知識~材質について~

ダンボールの基礎知識~材質について~ | 箱の知識(印刷、加工など)

包装や梱包資材として用いられる紙製品『段ボール』。1909年に日本で初めて段ボールを製造したレンゴーの井上貞治郎氏が名付け親と言われています。英語のboardに由来するボール紙を原紙に用いていること、断面の波型が階段状に見えることが語源なのだそうです。

ECサイトの隆盛により段ボールを以前よりも目にするようになりましたが、前述した歴史だったり、種類・素材等を知る機会はあまりないのではないでしょうか?

そこで今回は、段ボールの基礎知識として『段ボールの材質』についてご紹介いたします。

段ボールの構造


そもそも、段ボールはどのような構造で出来ているのでしょうか。段ボールは基本的に『表の紙』(表ライナー)と『中芯』、『裏の紙』(裏ライナー)の3枚の紙から成り立つもの。『表の紙』や『裏の紙』の材質により強度が変わり、『中芯』は規格によって波の高さが異なります。それぞれの材質については次の通りです。

段ボールの材質:種類と厚み

『中芯』の波(段)の高さと繰り返しの数の加工よって『段の種類』が異なり、厚さの種類も複数あります。また、段のことを『フルート』と呼んだりもします。詳細な分類は次の通りです。

G段(Gフルート)

記号

30cmあたりの段数

厚み

段繰率

G/F

180以上

約0.9mm

表の紙、中芯、裏の紙すべてを含めて約0.9㎜厚。オフセット印刷機からダイレクトに印刷が可能。主に商品の包装である個装や個装した商品をまとめて保護する内装に用いられます。

F段(Fフルート)

記号

30cmあたりの段数

厚み

段繰率

F/F

120以上

約1.0mm

G段についで薄い段ボールです。G段~E段は一見すると段ボールには見えない厚さとも言えます。その薄さからマイクロフルートと呼ばれることも。用途はG段とほぼ同様とお考えください。

E段(Eフルート)

記号

30cmあたりの段数

厚み

段繰率

E/F

80以上

約1.5mm

G段・F段と同じく、ボコボコとした段差が殆どありません。表面が平滑なことから個装に用いられます。

5号段 (片面(片側)段ボール)

記号

30cmあたりの段数

厚み

段繰率

約65

約2.0mm

G段~E段よりも緩衝性が高いため、比較的緩衝性が必要な場合に使用されます。ライナーの片側がない特徴を持ち『片面(片側)段ボール』とも。波状部分を内側にすることで瓶や陶器に巻きつけて梱包が出来ます。

B段(Bフルート)

記号

30cmあたりの段数

厚み

段繰率

B/F

50±2

約3.0mm

約1.4

他の段ボールよりも平面圧力に強い構造になっているので、堅い内容物の個別梱包あるいは運搬用の外装に適しています。

A段(Aフルート)

記号

30cmあたりの段数

厚み

段繰率

A/F

34±2

約5.0mm

約1.6

最も一般的な段ボールです。段に高さがあるので緩衝性があり、垂直方向への圧力に強い性質を持ちます。そのため、箱の積み上げにも適していて、保管用や引っ越し用にも活躍しています。

W(二層)

記号

30cmあたりの段数

厚み

段繰率

W/F

約8.0mm

約4.0

A段とB段と貼り合わせた構造。5枚構成のため衝撃吸収性と平面圧縮に強みがあります。例えばみかん箱のように重量物の梱包として用いられます。

なお、表中に記載した『段繰率』は「ライナーの長さに対して中芯の長さが何倍になるか」の比率を示した値です。中芯は波状になっているので、ライナーよりも長い紙を使わなければなりません。

A段を例に挙げると『段繰率』が「1.6」のため、1mのライナーに対して中芯は1.6m必要になります。

段ボールの材質:ライナーの種類

続いて『ライナー』の材質の種類についてです。ライナーには『D』『C』『K』の3種類があり、主に古紙の含有率が異なります。

『D』は主として『片面段ボール』等に使われ、宅配便の段ボールにはあまり使用されません。古紙含有率の高い『C』も強度はそれほど強くないため、軽量物の梱包や仕切りでの使用が殆どです。
通常『C5』や『K5』をベースに選択されることが多いのですが、強度が必要な場合には『K6』、更に重量があるものを梱包するのであれば『K7』が候補になってくるでしょう。

段ボールの材質:中芯の種類

『中芯』の規格を決めるのは1平米あたりの重量。種類は強化芯の200g・180g、セミ芯160gに加え、普通芯の115g・120gの5つです。ライナー同様、中芯も重量に比例して強度が増します。

中芯を選ぶ際、ライナーとの強度のバランスを取ることがポイントです。

強度の高い中芯に強度の低いライナーを組み合わせると、ライナーが中芯の強度に負けて折り曲げられず、ちぎれてしまうかも知れません。

段ボールの基礎知識~材質について~ まとめ


ライナーや中芯と言った段ボールの材質には様々な種類が存在しています。それぞれの強度も異なり、簡易的な家具としても利用できるものからクラフトに使われる厚紙のような種類もあるのです。そのため、用途に適した段ボールの選定が重要と言えるでしょう。

弊社では、大きさや形状だけではなく、使用用途を考慮したうえで、目的に合った厚み・材質のダンボールをご提案させていただきます。お気軽にご相談ください。

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