パッケージを変えたら売れた!リデザインの成功事例
長く愛されるロングセラー商品でも、発売当初から全く同じパッケージデザインを用いているケースはほとんどありません。これは時代や顧客に合わせてデザインを再構築しているためです。
長く愛される商品であればあるほど、適切なタイミングでのデザインの再構築(リデザイン)は、不可欠と言えます。
リデザインの目的は、商品の魅力をより訴求したり、新たな表現で消費者に商品を売り込むことです。年数の経過とともに売上が低迷してしまったとしても、商品価値や商品力の高いものは切り捨てずに有効活用したいもの。そのために重要になってくるのがリデザインなのです。
そこで、今回はパッケージを変えて成功した事例についてご紹介していきます。リデザインのご参考になさってください!
パッケージを変えたら売れた!リデザインの成功事例 その1:セサミライフ 極上胡麻油
リデザイン前 リデザイン後
ごまの美味しさと素材を活かすため製造から販売までを全て行っている株式会社セサミライフの『手詰め 極上胡麻油』は、従来、ごま油をイメージした茶色のパッケージを使用していました。
パッケージのリニューアルに伴い、白地に金色の箔押しをすることで、より”極上感”が伝わるデザインに。
形状も、リデザイン前は、低コストのキャラメル型を使用していましたが、身蓋C式に変更することで、贈答用の胡麻油として、新しいターゲット層への販売も成功し、新規顧客開拓にもつながったとのことです。
変更前:パッケージNow!製作事例 商品パッケージ(瓶・胡麻油)4c印刷|キャラメル式
変更後:パッケージNow!製作事例 贈答用化粧箱(瓶・胡麻油)箔押し|C式
パッケージを変えたら売れた!リデザインの成功事例 その2:昭和産業 オレインリッチ
リデザイン前 リデザイン後
昭和産業株式会社のピュアひまわり油100%がセールスポイントである『オレインリッチ』は、従来まで文字情報で健康や品質などの訴求を行っていましたが、モニターの視線を追うアイトラッキング装置を活用してパッケージを分析。
「体によさそうと感じられるのは?」「キッチンや食卓に置きたいと思うのは?」など複数の質問をモニターに投げかけたところ、ひまわりを大きく描いたパッケージデザインに視線が集中していることがわかり、パッケージのどこに反応しているかを数値データとして取り纏められました。
そこから生まれたのが、オレンジの配色で大きく描かれたひまわりが印象的なパッケージ。リデザイン前と比較して約3倍売上が伸びたとのことです。
パッケージを変えたら売れた!リデザインの成功事例 その3:王子ネピア 鼻セレブ
リデザイン前 リデザイン後
王子ネピアのボックスティシュ『鼻セレブ』。今でこそ保湿ティッシュの定番と言えますが、前身の『ネピア モイスチャーティシュ』時代は目立ちにくいパッケージで、売り場でもあまり目立っていませんでした。
商品の魅力を訴求すべく、同社ではプロジェクトチームを結成し、商品名を含めたデザインの見直しを進め、100案近くの中から選ばれたのが『鼻セレブ』のネーミングとともに、ふわふわの動物の鼻を中心に据えた特徴的なパッケージデザインです。
リデザイン後の売上は従前の10倍となり、現在も人気を集めています。
パッケージを変えたら売れた!リデザインの成功事例 その4:文庫 人間失格
リデザイン前(新潮社文庫) リデザイン後(集英社文庫)
文学や音楽のパッケージ(ジャケット)も消費者への訴求として大きな役割を果たしています。マーケティングで重要なファクターとなるのは、消費者に着目してもらえるかという点です。
『人間失格』は表紙を人気漫画家のイラストに変更したところ、16年間累計37万部の売上だった作品が1年間で21万部を売る大ヒットに繋がりました。
イラストを書いた漫画家の代表作『DEATH NOTE』は、世界累計3000万部を超える売上ですから、大勢の消費者の注意を惹くのに適任だったのです。
同様に『文豪ストレイドッグス』という作品に登場するキャラクターを用いて、パッケージをリデザインした文庫も売上を伸ばしています。
ライトなイメージを想起されることで、古典文学の存在自体のリデザインにも寄与しているのかも知れません。
パッケージを変えたら売れた!リデザインの成功事例 その5:あんフーズ新潟 水ようかん
リデザイン前 リデザイン後
新潟ならではの素材をふんだんに使い、味や食感にこだわった、こちらの水ようかんもリデザインの成功例です。
パッケージを通じて商品の魅力を伝えるために、個性豊かなそれぞれの味がしっかり伝わるデザインに変更されたのだとか。
パッと見で味の違いが分かりやすく、消費者に全部の味を食べてみたい!と思わせることも狙い通り作用しているのではないでしょうか。
併せてギフトボックスやロゴもリデザインした結果、売上は5倍になっています。
出典:
リデザイン前・後画像
パッケージを変えたら売れた!リデザインの成功事例 その6:カルビー クランチポテト
リデザイン前 リデザイン後
カルビーの『クランチポテト』は、“最堅”の食感が人気を博していますが、そんな長所をより一層伝えるべくパッケージのリデザインを実施しました。
パッケージデザインの決定には『パッケージデザインAI』を活用して好感度調査を行っています。
同AIは消費者がデザインをどのように評価するかをAIが予測するもので、様々な比較分析・データ算出が出来るのだそうです。
リデザイン後の売上は1.3倍となっています。AIによる評価の可視化でデザイン検討のプロセスが省力化出来るとともに、根拠ある訴求が行えるようになります。
「パッケージを変えたら売れた!リデザインの成功事例」まとめ
商品は以前と変わらないのに、パッケージをリデザインするだけで売上が増える――。パッケージの印象が消費者の方の購買活動に大きく影響していることが改めて分かる事例ばかりでした。
商品の魅力をしっかり訴求するためのリデザインは、商品イメージを一新する効果があります。
今回ご紹介した商品の販売元では、社内での検討だけではなく、モニターの意見を反映したり、AIを活用するなど多種多様な手法でリデザインを図っています。
今後AIやDX活用は進んでいくと考えられますが、それを形にするのはデザインや製作の担当者あるいは受託した企業です。
様々な事例を検証しつつ、色々な方の意見を集約することで、更に効果的なパッケージの変更が実現出来るでしょう。ご紹介した成功事例をご参考にしていただきながら、売上アップのためのリデザインをご検討なさってください。