プロが教える！売れる商品を作るパッケージの基本
商品の売れ行きを左右するパッケージデザイン。
どんなに良い商品でも、パッケージが魅力的でなければ手に取ってもらえません。
本記事では、商品の魅力を短時間で伝える「売れるパッケージ」の基本となる3つの評価ポイントを、プロの視点からわかりやすく解説します。
1.売れるパッケージに必要な3つの基本
売れるパッケージには「見つけやすさ」「わかりやすさ」「好感が持てるか」の3つの評価ポイントがあります。
1-1.見つけやすさ(視認性)
店頭で埋もれない、目を引くデザインであること。
• 陳列棚での目立ち方を考慮
• 競合商品との差別化
• 遠くからでも認識できる配色や形状
1-2.わかりやすさ（伝達力）
パッケージを一目見ただけで、中に入っている商品の概要を直感的にイメージできることが大前提です。
• 商品内容が瞬時に理解できる
• ターゲット層が明確
• 過剰な情報を詰め込まない
1-3.好感が持てるか(魅力)
手に取りたくなる、購入したくなる魅力があること。
• ブランドイメージとの整合性
• デザインの美しさ・センス
• 信頼感・安心感の演出
2. 一目で伝わるデザインの作り方
2-1. 商品の中身を直感的に表現する
手に取って説明を読まなければ中身を理解できない商品は売れません。ターゲットに何のストレスも与えず、手間も掛けずに中身をイメージさせることが重要です。
具体例：
• 食品：素材や料理のビジュアルを前面に
• 化粧品：使用イメージや効果を連想させる色・デザイン
• 日用品：用途や使用シーンを明確に
2-2. 訴求ポイントは絞り込む
パッケージで訴求すべき魅力は最大で2個まで、できれば1個に絞り込むことが理想です。
魅力をたくさん詰め込み過ぎると、ターゲットはストレスを感じて商品を棚に戻してしまいます。
絞り込みのポイント：
• 最大の強みは何か
• ターゲットが最も知りたい情報は何か
• シンプルに伝える工夫
2-3. キャッチコピーの効果的な使い方
記憶に残りやすい端的なキャッチコピーも、売れるパッケージデザインによく見られる特徴です。
効果的なキャッチコピー例：
• 「発売以来1000万本達成！」（実績で信頼性アピール）
• 「限定商品」（希少性で購買意欲を刺激）
• 「○○の方に」（ターゲットを明確化）
3. ターゲットに響く色とデザイン
3-1. ターゲット層に合わせた配色
年齢層や性別、商品カテゴリーによって適切な色は異なります。
配色の基本：
• 若年層向け：鮮やかな色、ポップな配色
• 高年齢層向け：落ち着いた色、上品な配色
• 男性向け：寒色系、シャープな印象
• 女性向け：暖色系、柔らかい印象
3-2. 価格帯とデザインの整合性
価格帯に違和感のないデザインであることも、売れるパッケージデザインの基本的な要素です。
注意点：
• 高級商品：相応の高級感を演出
• 手頃な価格帯：適度な品質感を維持
• 価格が手頃であるにもかかわらず、背伸びして高級感あるパッケージを採用すると、価格とデザインの整合性がとれず、かえって消費者から敬遠される恐れがあります
4. パッケージの機能性も忘れずに
4-1. パッケージの3つの役割
デザインだけでなく、実用面も重要です。
• 中身の保護：商品を安全に保つ
• 取り扱いの利便性：開けやすさ、持ちやすさ、保管しやすさ
• 販売促進：購買意欲を喚起する
4-2. 売り場を想定した設計
陳列される場所や方法を考慮しましょう。
• 棚の高さと視線の関係
• 並べた時の見え方
• 競合商品との位置関係
• 持ち運びやすいサイズ・形状
5. 失敗しないパッケージ製作のチェックポイント
5-1. 法令遵守は必須
薬機法、食品表示法、景品表示法などの必須情報は確認してください。
必須確認項目：
• 商品名、内容量の表示
• 原材料・成分表示
• 製造者・販売者情報
• 賞味期限・使用期限
• 注意事項・警告表示
5-2. コストとのバランス
目標販売数や生産ロットなど、さまざまな数字と向き合いながらコストバランスも考慮してください。
コスト検討のポイント：
• 印刷方法の選択
• 素材の選定
• ロット数による単価変動
• 特殊加工の必要性
6. パッケージ製作の進め方
6-1. 情報を整理する
商品の特徴やターゲットなどの基本情報を整理し、色や形などパッケージデザインの要素を絞り込むことができれば、売れるパッケージデザインに一気に近づきます。
整理すべき項目：
• 商品コンセプト
• ターゲット層（年齢、性別、ライフスタイル）
• 競合商品との違い
• 訴求したい最大の魅力
• 販売価格帯
6-2. デザイン会社への依頼のコツ
準備を整えてから依頼することで、イメージ通りのデザインが実現します。
• 商品情報を明確に伝える
• 参考デザインを共有する
• ターゲット層を具体的に説明
• 予算と納期を明示
7. まとめ：基本を押さえて売れるパッケージを
売れるパッケージの基本は、「見つけやすく」「わかりやすく」「好感が持てる」こと。
そして、ターゲットに響くデザインと、商品を守る機能性を両立させることが重要です。
おしゃれさや格好良さも大切ですが、それ以上に「商品の魅力を一目で伝える」ことを意識しましょう。
基本を押さえたパッケージは、確実に消費者の手に取ってもらえる確率を高めます。
