紙器で使う「板紙」とは?その種類と用途について | パッケージNow!

紙器で使う「板紙」とは?その種類と用途について

紙器で使う「板紙」とは?その種類と用途について | 紙の知識

紙に関連した業界で使われる『板紙』というフレーズですが、他業界の方には耳慣れず、馴染みがある方も多くはないかも知れません。

厳密には異なる基準ではあるのですが、板紙がどのようなものか、という点については『厚紙』を思い浮かべていただけると、イメージしやすいのではないでしょうか。
今回の記事では、そんな『板紙』について掘り下げ、ご紹介、ご説明いたします!

『板紙』とは

 そもそもとして、板紙とはどのようなものを指すのでしょうか?

板紙は、通常の紙より厚く、かなりしっかりとした質感に仕上がりますので、強度や耐久性が求められる用途に適しています。

原料は木材パルプ、古紙が用いられ『多層抄き』と呼ばれる手法によって、複数の紙の層を形成しながら頑丈さを加えていく作り方が一般的です。

『板紙』の定義

JIS規格では「米坪量255g/㎡以上の紙を板紙と見なす」と定義されています。

しかし、場合によっては、これ以上の厚さがあったとしても板紙と呼ばないこがあったり、反対に、米坪量255g/㎡未満の薄手の紙を板紙として扱うケースもあり、明確な定義とは言えないかも知れません。

厚さを示す『板紙』の号数とは

さて、紙の厚さを表す単位には『紙厚(かみあつ)』がありますが、こちらは字面からイメージがつきやすいかも知れません。
㎛(マイクロメートル)の単位で表記され、1㎛は1mmの1/1000(1000㎛=1mm)と非常に小さな単位です。

加えて、板紙(台紙・厚紙)の場合には、厚さを表す単位として『号数』と呼ばれる単位が存在しています。
号数は「#」に番号をつける形で表記し、以下のように記載がなされます。

 例)#7=7号

次に号数の考え方をご説明いたします。

坪量50g/㎡を1号として、50g/㎡ごとに1号ずつ加算された単位が号数です。
そのため、号数を算出するには坪量(1平方メートルあたりの重量)から求めることが出来ます。

計算例を示すと、

 坪量500g/㎡の場合、500÷50=10号(#10)
 坪量270g/㎡の場合、270÷50=5-4号(#5-4) ※5の4号と読む

など、上記のようになります。

ちなみに、号数から坪量を求めることもでき、

 9号 9×50=450g/㎡

となります。

実際にご注文の際に綿密に厚みの算出をされるというケースは多くないかも知れませんが、単位の『考え方』を把握しておくことで、制作物のイメージ等もつかみやすくなるでしょう。

板紙の用途

紙の業界で板紙と呼ばれる場合のほとんどは『紙器用板紙』と『段ボール原紙』を指しているとお考えいただいて差し支えありません。

それぞれについてご説明いたします。

紙器用板紙とは

紙器用板紙とは、分かりやすくいえば箱状の容器に使われる板紙のことですが、品種分類、原料の構成、品質、用途などにより白板紙(しろいたがみ)、黄板紙(黄ボール)、チップボール、色板紙(色ボール)の4種類に大別されています。

白板紙

『白板紙』は表層にフレッシュパルプ又は上白系古紙を使用した片面あるいは両面が白いものをいいます。

「白ボール」は、表が白で裏がグレー(ネズミ色)の板紙です。表面にツヤがあるコートボールとツヤ無しのノーコートボールといった種類もあります。
紙箱やパッケージの用途に多く使われる板紙です。

もう一方の「マニラボール」は両面になっていて、より高級な板紙です。こちらも白色ですが高級なものは「高級白板紙」や「特殊白板紙」と呼ばれるもので、ツヤがあるものとツヤが無いものがあります。加工にも適し、印刷の適性もあるので、使用する用途の幅はぐっと広がっています。例えば、食品のパッケージ、写真が主体の本の表紙や高品質な印刷が求められる本なども、この板紙が使用されます。

黄板(黄ボール)

チップボールなどに比べて、密度・硬度が高い板紙で、強度が高いことから箱の芯材などとして使われるのが、この黄板です。

その昔、麦や稲のわらを主原料として作られていたために、自然な黄色い色味となることから黄板と呼ばれています。

現在は古紙をベースとしているので黄色くはなりませんが、染料等で色をつけて黄色い色味に仕上げています。

前述したように上質紙などを表面に貼り合わせて使う芯材として使われるのが一般的となりますので、色味などは生産ロットによってバラツキがあるとお考えください。

チップボール

表面も裏面もネズミ色をしていて、すべての層の紙がグレードの低い古紙で構成されているのがチップボールという板紙です。

新聞古紙・雑誌古紙などを重ね合わせて「多層抄き」と呼ばれる手法で成形していき、厚みを増して丈夫な紙にしていきます。

上質紙や印刷した紙などを貼り合わせて使用するケースが多いですが、割れが多く、折り曲げや印刷適性はありません。

色板紙

色板紙は、あらかじめ決まった色で染色されているのが大きな特長です。耐久性や見た目の印象が重要視される印刷物に使用されます。

色を印刷しなくても紙自体に色が付けられているため、インクの節約にもなりますし、特長を生かして単色で強い印象を与えたデザインとして仕上げることに向いています。

また、色の鮮やかさや均一性が高く、製品の外観の綺麗さを一層引き立てられるでしょう。

段ボール原紙

世間で使用されている板紙の中で最も割合が多いのが、段ボール原紙です。

その名の通り、段ボールに使われる原紙で、ダンボールの表や裏に用いるライナーと呼ばれる原紙と、波状になっている中芯の基の紙になります。

ライナーも中芯も複数のグレードや種類が存在しますので、用途に応じた使い分けも可能です。

紙器で使う「板紙」とは?その種類と用途について まとめ

今回は『板紙』の厚さの考え方や種類について、それぞれ解説してみました。

板紙は、パッケージや紙箱などの紙器製造に欠かせない素材です。

紙の業界に携わっている方や、制作物などの発注をご担当されている方以外の方も、板紙の種類や基準を知っていただき、興味を持っていただけたら嬉しく思います。

用途によってさまざまな種類があり、それぞれに特徴がありますので、「パッケージNow!」では、印刷適性や強度、環境への配慮など、目的に合った板紙を選び、お客様ご希望にそったパッケージをご提案します。

ご不明な点等ございましたら、お気軽に「パッケージNow!」へご相談ください。 

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